あなたは、日本のはじまりを知っていますか?
学校で歴史は習いました。でも不思議なことに、日本がどうやって生まれたかは、あまり教わらなかった気がするんです。
縄文・弥生・古墳…と時代は習う。でも、イザナギ・イザナミのこと、神武天皇のこと、ちゃんと教えてもらった記憶があまりない。私は親から聞いていたけれど、知らない人も多いんじゃないかな、と思っていました。
古事記や日本神話を読んだとき、「あ、これが日本のはじまりか」と初めて腑に落ちた感覚がありました。
じゃあ、その場所に行ってみよう。
それがこの旅のはじまりです。
✔︎ 歴史は好きだけど、難しい知識は自信がない
✔︎ 観光地より「本物の空気」を感じたい
✔︎ 一人旅に興味があるけど、何から始めればいいかわからない
✔︎ 日本のことをもっと好きになりたい
1日目|京都。そして、運命の葵祭と出会う
東京を朝イチで出発。京都駅のコインロッカーに荷物を預けて、まず向かったのは京都御所。
ここは平安時代から続く、天皇家の御所。広大な敷地をゆっくり歩きながら、「ここが日本の都だったんだ」と、じわじわと実感がわいてくる場所でした。
事前予約なしで入れます(参観無料)。広いので歩きやすい靴必須。所要時間は1時間くらいが目安です。
そのあとは葵祭の行列を見届けてから、人波が動く前にそっと退散。
向かったのは一保堂。京都の老舗お茶屋さんです。一人旅センサーのおかげで、5分待ちで入れました。混雑している日は、10分前行動が命です(笑)。
お抹茶をいただきながら、ひとり静かに余韻に浸る時間。葵祭の熱気のあとに、この静けさ。これが一人旅の醍醐味だなあと思いました。
毎年5月15日開催。京都御所をスタートし上賀茂神社がゴール。沿道は混雑必至なので、上賀茂神社の有料観覧席(席課金)を事前におさえておくのがおすすめです。
そして午後、二条城へ。
入口を見た瞬間、思わず惚れてしまいました。
キンキラ。
金箔を惜しみなく使った、豪華絢爛な唐門。徳川家の家紋がこれでもかと並んでいる。「俺が日本を統治している」という圧が、門ひとつからひしひしと伝わってくる。これが権力というものか、と。
でも。
内部を見学していくうちに、気持ちが変わっていきました。
大広間の一角に、人形たちが並んでいました。
大政奉還の場面です。
胸が、ずんっとなりました。
勝手に、慶喜の気持ちになってしまったんです。自分の代で、260年続いた徳川幕府を終わらせる。どれほどの重さだろう。家臣たちの顔が頭をよぎったんじゃないか。でも、戦えば日本人同士が傷つく。一人でも多くの命を守りたい。そしてもしかしたら、彼はもっと先まで見ていたんじゃないか。
これからは、外国との戦いが待っている。内輪で争っている場合じゃない。
そこまで考えていたんじゃないか、と。歴史の教科書では一行で終わる「大政奉還」に、こんなにも重い人間の決断があった。
キンキラの入口と、静かな人形たち。同じ城の中に、権力の絶頂と、その幕引きが、両方ある。二条城って、すごい場所だなあと思いました。
入城料は一般1,300円。二の丸御殿の内部見学がメインです。大政奉還の展示は必見。所要時間は1〜1.5時間が目安。混雑を避けるなら午前中がおすすめです。
夕方、奈良へ移動。
京都駅からJR大和路快速で約45分、奈良駅着。便数も多く移動しやすいです。
2日目|奈良。神話の世界に足を踏み入れる
2日目は朝から、古代の奈良へ。
最初に訪れたのは橿原神宮。
豪華ではないのに、壮大だった。
広さと静けさの中に、ただただ「尊い」という感覚がありました。日本建国の地、神武天皇が即位した場所。ここに至るまでの戦いはきっと壮絶だったはずなのに、あの空気の穏やかさはなんなんだろう。
白い空気、とでも言えばいいのか。透明なのにもっと透明。ふわっと温かくて、包み込まれるような感覚。その壮絶さを乗り越えた先に、あの静けさがあるのかな、と思いました。朝イチで訪れたのも正解でした。人が少なく、その空気をひとり静かに味わえた。
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近鉄橿原神宮前駅から徒歩約10分。参拝無料。朝イチがおすすめです。静かに参拝したい方は平日の午前中を狙って。
次に向かったのは神武天皇御陵。
参道に足を踏み入れた瞬間、息をのみました。
生い茂る緑の中をただ歩く、静寂の道。これが神の道だ、と感じました。御陵そのものは質素な色合いなのに、威厳がある。飾らないことの美しさ。これが日本だな、と思いました。
そして、ふと思ったんです。宮内庁、すごいな、と。この場所をずっと守り続けてきた人たちの「意地」みたいなものを感じた。維持するのにも、覚悟がいる。
橿原神宮から徒歩約15分。参拝無料。観光地感はゼロですが、だからこそ本物の空気が残っています。静かに歩ける服装と靴で。
そして大神神社へ。
思っていたより、はるかに豪華で広かった。
橿原神宮の「包み込まれる」感とは、まるで違う。戦って守り抜いてきたような力強さがあった。昔からここを命がけで守ってきた人たちの重みが、空気に漂っていました。同じ奈良の神社でも、こんなに雰囲気が違うのか、と驚きました。
JR三輪駅から徒歩約5分。参拝無料。日本最古の神社のひとつで、本殿がなく三輪山そのものをご神体とする、他にはない神社です。広いので時間に余裕をもって。
2日目の午後、法隆寺へ。
門をくぐった瞬間、ハッとしました。
引き込まれる感じ、とでも言うのかな。我に返ったような、でも同時に夢の中に入り込んだような、不思議な感覚。1600年前に建てられた、世界最古の木造建築が、本当に目の前にある。しばらく、ただ眺めていました。眺めて、眺めて、眺めて。
せっかくなので、和装の係の方に声をかけてみました。
「すみません、ちょっと聞いてもいいですか。勉強不足で恥ずかしいんですが、1600年前にどうやってこれを建てたんですか?」
一人旅に慣れてくると、こういう度胸がつくんですよね(笑)。知らないことを素直に聞ける、これも一人旅の醍醐味です。
いろいろ教えていただいた中で、特に印象に残ったのが「玉の輿」の語源。五重の塔の前に立つ灯籠、あれは徳川家光の側室・桂昌院(お玉さん)が奉納したものなんです。八百屋の娘とも言われるお玉さんが、将軍の生母にまで昇り詰めた。その話から「玉の輿」という言葉が生まれたとか(諸説あります)。
え、ここからきてたの!?と思わず笑ってしまいました。
御朱印も拝受しました。書いていただいた後に、言葉の説明をしてくださって。聖徳太子が約1400年前に定めた十七条憲法、その第一条の言葉。
「和を以て貴しとなす」
争いをやめ、和を大切に。1400年前の言葉が、今もここで生きている。なんだか、背筋が伸びる気がしました。
リピーターの方には特別な書き方をしてくださるそうで、前の方がリピーターと伝えたら少し違う対応をされていました。気になる方は、ぜひ2回目の法隆寺へ(笑)。
JR法隆寺駅からバスで約10分、またはタクシー(駅前に常駐)。入場料は一般2,000円。係の方に気軽に質問できる雰囲気なので、ぜひ声をかけてみて。御朱印は拝受後に言葉の説明もしてくださいます。
3日目|石上神宮。鶏に迎えられた、最後の聖地
最終日は石上神宮へ。
日本最古の神宮のひとつ。ここには鶏が放し飼いにされていて、参道を歩いていると、コッコッと寄ってきてくれます。
なんとも言えない、ほっこりした気持ちになりました。
自然の中にある。自然とともにある。観光地感がなく、地元の人たちの信仰と日常が今もそこにある。そういう場所が、私は好きだなあと改めて思いました。
JR天理駅から徒歩約30分またはタクシー(約1,500円)。バスはありません。帰りのタクシーは迎車になるので、行きのタクシーの運転手さんに電話番号を教えてもらっておくとスムーズです。日曜はそこそこ人がいますが、観光地ほどの混雑はありません。
こぼれ話|一人旅を楽しむためのリアルな話
ひとつ、正直に言っておきます。
この旅、虫との戦いでもありました(笑)。
神社をめぐっていると、木々の緑、風の音、鳥の声。自然に触れる贅沢を感じる一方で、虫が苦手な私には試練でもありました。
✔︎ 日焼け止め(屋外が多い)
✔︎ 虫除けスプレー(本気で必須)
✔︎ 歩きやすいスニーカー
✔︎ 折りたたみ傘(参道は日陰が少ない場所も)
そして、タクシーの運転手さんたちが、みんなとっても親切でした。いろんなお話を聞かせてくれて。その中でひとつ、忘れられないエピソードが。
大和神社の参道の長さが、戦艦大和と同じなんだって。
今回は時間の都合で行けなかったけれど、次回絶対に行きたい場所がまた一つ増えました。こういう「地元の人にしか知らない話」が聞けるのも、一人旅ならではの宝物です。
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旅を終えて。2000年がつながった瞬間
橿原神宮で日本のはじまりを感じ、神武天皇御陵で神の道を歩き、大神神社で守り抜く力強さに触れ、法隆寺で1600年前の技術に圧倒され、葵祭で平安の息吹を浴び、二条城で江戸の幕引きを見届けた。
バラバラだった歴史の断片が、一本の線でつながった気がしました。
日本って、すごい国だな。守ってきた人たちがいたんだな。そして、これからも守っていかなきゃいけないものがある。
難しいことは何もわからなくていい。ただその場所に立つだけで、きっと何かが変わります。
歴史が苦手でも大丈夫。知識ゼロでも大丈夫。むしろ、何も知らないまま行った方が、感動が大きいかもしれない。
あなたも、一度行ってみませんか?
整えることで、人生は変えられる。
それではみなさま、ごきげんよう🌸
