皆さまごきげんよう、この夏すっかり「盆踊りネキ」になったジュリージョリーです。
6月の山王祭から、9月の雷門まで。
2026年の夏、東京の盆踊りを20会場、踊り歩いてきました。
晴海ふ頭公園に姪と行った1回をのぞいて、あとは全部ひとりです。
……太鼓の音って、どうしてこんなに胸に響くんでしょうね。やっぱり好き。だーいすき。
「盆踊りに行ってみたいけど、ひとりだと浮かないかな」
「東京は会場が多すぎて、どこを選べばいいのかわからない」
そんなふうに迷っている方に向けて、実際に踊ってわかった会場ごとの雰囲気と、目的に合わせた選び方をまとめました。
先に結論をお伝えしますね。
盆踊りは、ひとりでもまったく大丈夫です。
どの会場にも、ひとりで来ている人がたくさんいました。輪に入るのも抜けるのも自由。どう楽しむかを、自分で決められるお祭りです。
🏮 この記事でわかること
- 2026年夏、東京の盆踊り20会場の一覧(日付・最寄り駅・ひとりで行きやすいか)
- 目的別の選び方:ひとりで入りやすい会場/境内で踊れる会場/屋台が楽しい会場
- 盆踊りのひとり参加のコツと、あると便利な持ち物
- 入谷朝顔まつりのひとり参加レポと、盆踊りのルーツ
- 雨で中止になった会場と、出かける前に確かめたいこと
日本の夏は、面白い。それでは、太鼓の音に誘われて、まいりましょう。
夏の20会場、実際に踊ってきました
まずは、この夏に踊った20会場を日付の順に並べました。
「ひとり」の欄は、ひとりで行ってみた私の感想です。
◎=ひとりでも気軽に輪に入れる
○=ひとりでも行けるけれど、混雑やペアで踊る曲など、知っておくと安心なことがある
会場名に下線がある会場は、くわしいレポ記事があります。気になったらのぞいてみてくださいね。
| 日付 | 会場 | 区・最寄り駅 | ひとり |
|---|---|---|---|
| 6/15 (6月中旬) |
山王祭の盆踊り(日枝神社) ※会場は山王パークタワーの公開空地 |
千代田区/溜池山王駅 | ◎ |
| 7/7・8 (7月上旬) |
入谷朝顔まつり(入谷南公園) ※この記事の後半でレポ |
台東区/入谷駅 | ◎ |
| 7/12 (2026年が第2回) |
晴海ふ頭公園盆踊り大会 | 中央区/勝どき駅から都バス「晴海埠頭」 | ◎ |
| 7/13〜16 (7月13〜16日) |
靖国神社 みたままつり | 千代田区/九段下駅 | ◎ |
| 7/23 (7月下旬) |
新橋こいち祭 | 港区/新橋駅 | ○ |
| 7/25 (7月下旬) |
増上寺 地蔵尊盆踊り大会 | 港区/芝公園駅・大門駅 | ○ |
| 7/29・30 (7月末〜8月初め) |
築地本願寺納涼盆踊り大会 | 中央区/築地駅 | ◎ |
| 7/31 | 番町麹町盆踊り(番町の森) | 千代田区/麹町駅6番出口すぐ | ◎ |
| 8/1 (8月上旬) |
ゆかたで銀ぶら(銀座中央通り) | 中央区/銀座駅 | ◎ |
| 8/7 | 上野地区盆踊り大会(黒門小学校) | 台東区/御徒町駅 徒歩7分 | ◎ |
| 8/8・9 | 神田明神 納涼祭り | 千代田区/御茶ノ水駅・末広町駅 | ○ |
| 8/14〜16 (2026年は8/7〜16開催) |
上野ゐの市盆踊り(上野恩賜公園 袴腰広場) | 台東区/JR上野駅 不忍口 徒歩3分 | ◎ |
| 8/16 (8月中旬) |
シタマチ.ふるさと盆踊り大会(おかちまちパンダ広場) | 台東区/御徒町駅 | ◎ |
| 8/19・20 (8月中旬〜下旬) |
東本願寺盆踊り | 台東区/田原町駅 徒歩5分 | ◎ |
| 8/21 | 芝パークの盆踊り | 港区/大門駅 徒歩5分 | ◎ |
| 8/23 | 坂本町会納涼会(さかもと朝顔広場) ※旧坂本小学校の跡地 |
台東区/入谷駅 | ◎ |
| 8/25 | 入船三丁目の盆踊り | 中央区/新富町駅 | ◎ |
| 8/29 | 勝どきの盆踊り | 中央区/勝どき駅 | ◎ |
| 8/30 | 御行の松不動尊の盆踊り | 台東区/鶯谷駅 徒歩10分弱 | ◎ |
| 9/5 (9月上旬) |
雷門盆踊り〜夢灯篭〜 | 台東区/浅草駅すぐ | ◎ |
こうして並べてみると、◎がほとんどですよね。
○を付けた3会場も、ひとりで行ってはいけないわけではありません。
新橋と増上寺は、ペアで踊る曲があります。私はまったく平気でしたが、苦手な方もいるかな?と思って○にしました。神田明神は、とにかく混雑がすごかった会場です。どちらも、知っておけば気がラクになることなので、次の「目的別」でくわしく書きますね。
ただし、町会の盆踊りは、年によって日にちが変わることがあります。夏は急な雨で中止になることもあるので、出かける前に公式サイトやSNS、町の掲示板をのぞいておくと安心です(雨の話は、この記事の最後に書きました)。
目的別:どこに行けばいい?
20会場を回ってわかったのは、盆踊りは会場ごとに性格がまったく違うということでした。
なので、ここでは順位はつけません。「初めてだから、まずは気軽に入りたい」「屋台も楽しみたい」など、目的に合わせて選べるように分けてみました。いくつかの目的に登場する会場もあります。
初めてでも、ひとりで入りやすい会場
混みすぎていなくて、輪に入りやすかった会場です。「盆踊りデビューはどこにしよう?」という方は、まずここから選んでみてください。
上野地区盆踊り大会(黒門小学校)
この夏、いちばん踊りやすかったのがここです。校庭のまんなかに櫓が立ち、提灯がぐるりと張りめぐらされていて、「これぞ町の盆踊り」という空気でした。
→ 上野地区盆踊り大会のレポはこちら
番町麹町盆踊り(番町の森)
番町という一等地の、小さな公園。それなのに子どもがたくさんいて、なんだか嬉しくなりました。踊る曲は5曲のくり返しなので、初心者さんにぴったりです。三味線・笛・太鼓の生演奏と生歌も聴けます。
→ 番町麹町盆踊りのレポはこちら
芝パークの盆踊り
会場はビルの駐車場。大きすぎず、小さすぎず。混みすぎず、少なすぎず。ひとことで言うと「ちょうどいい」会場でした。
坂本町会納涼会(さかもと朝顔広場)
「先生」と呼ばれている年配の女性が、とにかく上手でした。こういう方を見つけたら、後ろについて振りをまねするのが、上達のいちばんの近道です。
出店は、先にチケットを買って支払うしくみでした(私は買っていません)。地元の方には、こうした情報が先に知らされているのだと思います。
勝どきの盆踊り
公園が会場で、混雑もほどほど。輪にすっと入れました。
上野ゐの市盆踊り(上野恩賜公園 袴腰広場)
JR上野駅の不忍口から歩いて3分ほどで、駅から近いのがうれしい会場です。ただ、会場のすぐ近くにトイレがないので、駅ですませてから行くのがおすすめです。
御行の松不動尊の盆踊り
町の小さな盆踊りです。台東区の会場なのに荒川区長が来ていて、荒川区の踊りもありました。区の境をこえて、みんなで踊る。この会場のことは、近いうちにくわしく書きますね。鶯谷駅から、ほぼまっすぐ歩いて10分弱。会場のそばにセブン-イレブンがあるので、のどが渇いても安心です。出店は、坂本町会と同じくチケット制でした。
神社・お寺で踊れる会場
神社仏閣が好きな私にとって、境内の盆踊りは特別です。
神社やお寺の会場では、踊りの最初と最後に、みんなで御本殿(お寺ではご本堂)に向かって一礼します。すばらしい文化、礼儀だと思います。
盆踊りは、もともとご先祖さまを供養する「祈り」から始まったもの(諸説あります)。一礼すると、そのことを思い出させてもらえる気がします。
→ 「盆踊りは祈り」と知ってから、もっと好きになった話
靖国神社 みたままつり
踊りの種類が多くて、ずっと楽しい! 境内のかき氷屋さんもおすすめです。
→ みたままつりに4日間通った記録はこちら
増上寺 地蔵尊盆踊り大会
踊りながら、東京タワーが見えます。とても踊りやすかったので、来年も行くつもりです。ペアで踊る曲もあります(くわしくは下の「ちょっと変わった盆踊り」で)。
神田明神 納涼祭り
8月7日はアニソン盆踊りの日で、人が多すぎて前に進めず、踊るのをあきらめました。その足で向かったのが、さきほどの黒門小学校です。
そして翌日の8日、翌々日の9日にリベンジして、最初から最後まで踊りきりました。アニソン好きの方がたくさん集まっている印象です。人の多さに加えて会場もせまいので、混雑はこの夏の20会場でいちばん。覚悟して行ってくださいね。
山王祭の盆踊り(日枝神社)
6月、「日本一早い」と言われる盆踊りです。会場は境内ではなく、溜池山王駅前の山王パークタワーの公開空地。踊りの輪に入るための待ち列がわかりやすく、安全第一で運営されていました。
→ 山王祭の盆踊りのレポはこちら
このほか、築地本願寺と東本願寺もお寺の境内の盆踊りです。どちらも個性が強いので、このあとの見出しでご紹介します。
屋台も楽しみたい会場
神田明神 納涼祭り
屋台は「これぞお祭り」という本物ぞろいで、この夏いちばんでした。
築地本願寺納涼盆踊り大会
7月29日・30日の2日間、どちらもひとりで行きました。
こちらも本物の屋台がずらりと並んでいます。ただ、どこも行列。限られた時間の中で、「食べるか、踊るか、どちらか」を選ぶことになりました。両方を楽しみたい方は、少し早めに着いておくとよさそうです。
2日目の30日は、なんと雷雨。お寺の室内に避難させてもらいました。雨は30分ほどで上がって、そのあとはちゃんと踊れました。
ただ、電気のトラブルで提灯が全部はつかなかったのが残念……。大型扇風機も止まってしまい、とにかく暑かったです。
そしてこの雷雨の日、職場の同僚とばったり会いました(笑)。盆踊りって、意外な人に会う場所でもあるんですね。
ゆかたで銀ぶら(銀座中央通り)
屋台も銀座らしく、高級です。会場はせまめで、若い女性が音頭をとっていて、盆踊りというよりイベントに参加している感覚でした。
入船三丁目の盆踊り
かき氷が100円! 屋台がとにかく安いんです。
上野地区盆踊り大会(黒門小学校)
屋台は、小学校のお母さんたちの手作り。お母さんたちが並んで迎えてくれる、あの雰囲気です。
ほかにも、増上寺では若いお坊さんが屋台に立っていて、山王祭はキッチンカーでした(赤坂なので、お値段は高め)。
ちょっと変わった盆踊り
港区の3会場は、ペアで踊る曲がある
新橋こいち祭・増上寺・芝パークの3会場では、「三味線ブギウギ」や、都はるみさんの「好きになった人」など、ペアで踊る曲がありました。
「ペアなんて、ひとりで行ったら困るのでは?」と思いますよね。
でも大丈夫。ひとりで来ている人が多いので、すぐにペアになれます。
ちなみに私は、すべて自分から声をかけて、突進していきました(笑)。
もちろん、ペアの曲でもひとりで踊りぬく人もいますし、その曲のあいだは見学していても大丈夫。誰かに強制されることはありません。どう楽しむかを、ぜんぶ自分でプロデュースできるのが、盆踊りのいいところです。
ちなみに新橋こいち祭は、会場が2か所に分かれています。かなり混んでいたので、正直に言うと、来年は行かないかな……と思っています。
上野ゐの市盆踊り
生の太鼓はなく、DJがアニソンや洋楽を流します。昼に開催する日もありました。
東本願寺盆踊り
お寺の境内なのに、盆踊りというよりフェス! 洋楽の曲はよかったです。
シタマチ.ふるさと盆踊り大会(おかちまちパンダ広場)
この夏いちばん激しかった会場です。「U.S.A.」なども踊りました。子ども盆踊りの時間もあって、これがとってもかわいかった!
この日は上野ゐの市で踊ったあと、パンダ広場へ移動して、1日で2会場の「盆はしご」をしました。おもしろいことに、櫓の踊り手さんも、一般のお客さんも、2つの会場で同じ顔ぶれがちらほら。みんな考えることは同じですね(笑)。
勝どきの盆踊り
なんと、櫓の上に上がって踊れます。
もちろん私も上がりました! みんなのお手本になったような感覚で、とにかく楽しい! また上がりたいです。
ただ、みんなのほうを向いて踊る勇気は出ませんでした(笑)。
入船三丁目の盆踊り
会場は、なんと道路の交差点です。
晴海ふ頭公園盆踊り大会
2026年でまだ2回目の、若いお祭りです。海辺の会場で、夜景がとてもきれいでした。この会場だけは、7歳の姪と一緒に行きました。
→ 晴海ふ頭公園の盆踊りのレポはこちら
雷門盆踊り〜夢灯篭〜
雷門の前の道路で踊ります。会場を彩るのは、秋田県湯沢市の絵どうろう。これがとてもきれいでした。私の夏の、最後の会場です。
浅草に行くなら、昼間は神社やお寺めぐりもおすすめです。
→ 浅草名所七福神めぐり 完全ガイドはこちら
大人の盆踊りと、子どもの盆踊り
20会場を回って、もうひとつ気づいたことがあります。
会場の大きさによって、「誰のための盆踊りか」が違うんです。
築地本願寺やみたままつり、新橋こいち祭のような大きな会場は、大人が中心。
いっぽう、町の小さな盆踊りは、子どもが中心でした。
番町の小さな公園には、子どもがたくさん。黒門小学校では、体育館が子ども向けのゲームコーナーになっていました。坂本町会の会場は、旧坂本小学校の跡地にできた広場。シタマチでは、子ども盆踊りの時間がありました。
町の盆踊りは、地域の人が、地域の子どものために開いているお祭りなんですね。
どちらが良い、悪いではありません。性格の違いです。
お子さんと一緒なら、町の小さな盆踊りへ。大人がじっくり踊りたいなら、大きな会場へ。そんなふうに選ぶと、きっと楽しい夜になりますよ。
「地域のお祭りに、よそから来た私がひとりで行っていいの?」と迷う方もいるかもしれません。黒門小学校の記事でも書きましたが、大丈夫です。
踊っているあいだの楽しさは、大きな会場でも町の会場でも変わりません。その会場でしか聞けない曲もあって、それもおもしろいところです。
ただ、休憩時間に、ママ友や地元の仲間どうしで集まっている人たちを見ると……ちょっとうらやましかったな。
盆踊りの一人参加、ハードルは思ったより低い

「盆踊り、行ってみたいけど、ひとりだと浮きそう……」
わかります。私も最初はそう思っていました。でも実際に行ってみて断言できます。盆踊りこそ、ひとり参加向きのイベントです。
理由その1、そもそも「輪」だから。盆踊りは誰かとペアで踊るものではなく、みんなで同じ方向を向いて輪になって踊るもの。つまり、ひとりで輪に入っても誰も気にしません。というより、輪に入ってしまえば「連れがいるかどうか」は外から見えないのです。
※ただし、港区の会場のようにペアで踊る曲がある盆踊りもあります。ひとりで来ている人が多いのですぐにペアになれますし、その曲のあいだは見学していても大丈夫。くわしくは、上の「ちょっと変わった盆踊り」で書いています。
理由その2、踊れなくても大丈夫だから。東京音頭や炭坑節などの定番曲は振り付けがシンプルで、何回か見ていれば自然と踊れるようになります。そして会場には必ず、惚れ惚れするほど踊りの上手な方がいます。お姉さま方だけではありません、男性にもいらっしゃるんですよ。私はそういう方を勝手に「お師匠さん」と呼んでいます。お師匠さんを見つけたら、その後ろに張り付く。これが最大のポイントです(笑)。間違えても、誰も減点しません。
理由その3、入るのも抜けるのも自由だから。疲れたら輪から抜けてひと休み、太鼓が高鳴ったらまた輪へ。この自由さは、ひとりならでは。誰かのペースに合わせて「そろそろ帰る?」の空気を読む必要もありません。ひとり、身軽、最高です。
服装は普段着でOK。浴衣の方ももちろん素敵ですが、実際の会場は普段着の方も大勢います。仕事帰りにふらっと寄れるのが地元盆踊りの良さです。
とはいえ私、今回ひとつだけ「ジャパン装備」を投入しました。Amazonで買った、和柄の斜め掛けバッグです。
盆踊りは両手が空いてこそ。踊るにも、ちょっとした荷物をまとめるにも、斜め掛けが正解です。そして、浴衣を着る時間がなくてもせめて小物くらいはジャパンにしたい——そんな気持ちで選んだ和柄。櫓の明かりの下では、これだけで気分がぐっとお祭り仕様になりました。
そのほか、あると便利なもの:
- 飲み物(夏の夜でも踊れば汗だくです。熱中症対策は万全に)
- 汗ふきタオルまたはハンディファン
- 小銭・電子マネー(屋台のある会場では、現金のみの店もあります)
- 歩きやすい靴(下駄デビューは短時間の会場から挑戦がおすすめ)
ちなみに入谷の盆踊り会場(入谷南公園)のリアル情報を残しておくと——会場に屋台はありませんが、トイレはあり、ティッシュもまぁまぁ補充されていました(女性にはこれ、地味に大事な情報ですよね)。食べたいものがあれば、徒歩数分の朝顔まつり会場に露店がずらりと並んでいるので、そちらでどうぞ。踊る前の腹ごしらえにも、踊った後のご褒美にも困りません。
最後にもうひとつ。「地元の人ばかりの盆踊りに、よそ者が入っていいの?」と心配な方へ。大丈夫です。盆踊りの輪は、千年かけて広がってきた輪。飛び入り歓迎の会場がほとんどですし、踊る人が増えて嫌な顔をする主催者はいません。むしろ輪は大きいほど、櫓の上の太鼓も嬉しいはずです。
入谷朝顔まつりの盆踊りに、ひとりで行ってきました

7月上旬、台東区の入谷(いりや)では「入谷朝顔まつり」が開かれます。「恐れ入谷の鬼子母神」で有名な入谷鬼子母神(真源寺)を中心に、朝顔の鉢がずらりと並ぶ、東京の夏の始まりを告げるお祭りです。
このお祭り、開催日は毎年7月6日・7日・8日。曜日に関係なく日付で固定されているので、「来年こそ行きたい」という方は今からカレンダーに書き込めます。こういうお祭り、予定が立てやすくてありがたいですよね。
そしてこの朝顔まつりの期間中、地元の町会の皆さんによる盆踊り大会が開かれるのをご存じでしょうか。会場は朝顔市の通りから少し離れた、台東区立入谷南公園。入谷駅から徒歩5分ほどで、時間は夜7時から9時ごろまでです(※開催情報は変わる可能性があります。お出かけ前に公式情報をご確認ください)。
私が向かった18時半ごろ、朝顔まつりの会場は人・人・人、人だらけ。外国人観光客の姿もたくさんありました。さすが東京の夏の風物詩です。

ところが、その賑わいを抜けて公園にたどり着くと、空気が変わります。
日が暮れた公園の真ん中に櫓(やぐら)が立ち、提灯の明かりの下で、老若男女が輪になって踊っていました。聞こえてくるのは、あの太鼓の音。
浴衣の方も、仕事帰りらしき普段着の方も、小さなお子さんも、人生の大先輩も。誰も「正しく踊れているか」なんて気にしていません。ただ、輪の中でそれぞれが楽しそうに踊っている。
実は私、昔この近くの言問通り沿いに住んでいたことがあります。当時の記憶はほとんどないのですが、かつての地元の盆踊りの輪に、大人になった自分がひとりで加わっている——なんだか不思議で、あたたかい夜でした。
これぞ平和の象徴だ、と思いました。大げさでしょうか。でも、老若男女が同じ輪の中で笑いながら踊れる国って、世界を見渡せば実は当たり前ではないのです。
この夜いちばん心を持っていかれたのが、踊りの休憩時間に披露された、地元の小学校の6年生たちによるソーラン節でした。

小さな体で腰を落として、全力で踊る子どもたち。みんな、輝いていました。気づけば目頭が熱くなっている自分がいて——まさか盆踊りで涙するとは、思ってもみませんでした(笑)。
もうひとつ、印象的だったこと。会場のあちこちで、地域の方々が「あら、久しぶり」「大きくなったねぇ」と挨拶を交わしていたんです。その光景が微笑ましくて、ちょっと羨ましくて。
江戸時代の夏祭りも、こんな光景だったのだろうか——。
ちなみに、朝顔まつり会場にあれだけいた外国人観光客は、盆踊り会場ではぐっと少なめでした。地域の町会が主催する「地元の盆踊り」だからこそ、観光地化されていない昔ながらの空気がそのまま残っている。徒歩数分で「観光の入谷」から「地元の入谷」に切り替わるこの感じ、実は狙い目だと思うのです。
盆踊りのルーツは平安時代?知ると踊りたくなる歴史の話
ところで盆踊りって、いつから続いているのでしょうか。
歴史好きとしては、踊りながらもそこが気になって仕方ありません。調べてみると、これがなかなか壮大な話でした。
盆踊りのルーツは、平安時代に空也上人(くうやしょうにん)が始めたとされる「踊念仏(おどりねんぶつ)」にあると言われています。念仏を唱えながら踊ることで、庶民に仏の教えを広めたのですね。これを鎌倉時代に一遍上人(いっぺんしょうにん)が全国へ広め、やがてご先祖さまの霊をお迎えして慰める「お盆」の行事と結びついて、盆踊りになっていった——というのが一般的な説です(諸説あります)。
つまり、あの夜私が入った踊りの輪は、ざっくり千年ものあいだ、この国で受け継がれてきた輪の続きだったわけです。……ちょっと鳥肌が立ちませんか。
そして江戸時代。盆踊りは庶民の一大娯楽になります。江戸の町のあちこちで櫓が組まれ、老いも若きも夜通し踊ったといいます。あまりに盛り上がりすぎて、時の政府からたびたび規制されたほど(いつの時代も、楽しすぎるものは怒られるのです)。
「江戸時代も、同じ光景だったのだろうか」
入谷の会場で私がふと思ったこと、答えはおそらく「イエス」です。踊りの曲や服装は変わっても、櫓を囲んで、ご近所さんが挨拶を交わして、子どもから大先輩までが同じ輪で踊る——その風景の骨格は、江戸の夏とつながっている。そう思うと、あの公園の夜が急に、歴史の一場面に見えてきます。
ちなみに、舞台となった入谷朝顔まつりにも復活の物語があります。入谷の朝顔は明治初期に植木屋さんたちが育てて評判になったものの、都市化の波で大正2年にいったん途絶えました。それが復活したのは、戦後まもない昭和23年。焼け野原になった町を「世の中を少しでも明るく」という思いで、地元の皆さんが朝顔市をよみがえらせたのです。
入谷のあたりは、関東大震災と戦災で二度も焼け野原になった町です。実は私の大叔父は、生後まもなくであの震災を経験した世代。そう考えると、私のルーツはこの町にあるのかもしれません。それでも人々は、そのたびに立ち上がり、朝顔を、祭りを、日常を取り戻してきました。
戦後の焼け跡で、朝顔を復活させようと決めた人たちがいた。その延長線上に、今のあの賑わいと、盆踊りの輪がある。
老若男女が踊る輪は平和の象徴——先ほどそう書きましたが、あの輪は「たまたま平和だから踊れている」のではなく、踊れる日常を取り戻そうとした人たちの意思の結晶でもあったのですね。
日本は、本当に興味深くて面白い、文化伝統の国です。やるじゃんJAPAN。
行けなかった会場と、雨の話
20会場を踊り歩いた夏ですが、行きたくても行けなかった会場もあります。
そして、夏の盆踊りでいちばん困ったのが雨でした。
日程が重なって、行けなかった会場
佃島の盆踊り(中央区)
みたままつりと日程が重なって、行けませんでした。
丸の内盆踊り(千代田区)
新橋こいち祭と日程が重なっていました。さらに7月24日は、雨で中止に。
来年は、丸の内を優先したいと思っています。
東京の盆踊りは、同じ週にいくつもの会場が重なります。全部は回れないので、「今年はここ」と決めて、来年の楽しみに残しておくのもいいですね。
雨で中止になった「大江戸まつり」
中央区の大江戸まつり盆おどり大会(浜町公園)は、2026年は8月21日・22日の2日間の予定でした。
ところが21日は、開催の途中で雨のため中止に。これは浜町音頭保存会のFacebookと、YouTubeの動画で知りました。
翌22日も大雨で中止。中央区の公式サイトによると、順延はなかったとのことです。
ただ、浜町の盆踊りはここで終わりではありません。
浜町音頭保存会の盆踊り大会が、2026年は9月26日(土)16:00〜19:00に開かれます。会場は浜町公園の中央広場です(雨天時は27日。例年9月下旬)。
私はこの日、台東区の田原町の盆踊りに行く予定なので、浜町はまた来年のお楽しみです。
途中で雨が降り出した会場
芝パークは、踊っている途中で雨が降り始めて、急いで終わりました(中止ではありません)。
上野ゐの市でも、8月16日に雨に降られました。この日は夕方には晴れて、そのままパンダ広場の盆踊りへ「盆はしご」しました。
築地本願寺では雷雨で室内に避難したことも、上の「屋台も楽しみたい会場」で書いたとおりです。
どちらの日も、私を助けてくれたのは手ぬぐいです。
手ぬぐい1本で、なんとか雨をしのぎました。
手ぬぐいは、盆踊りにハマってから3本買いました。どれも神田明神で買ったもので、柄は桜、矢羽、富士。
使いやすくて、今では普段の日にも使っています。雨の日も晴れの日も、盆踊りの相棒です。
☔ ジュリーのおすすめ
盆踊りの相棒に。急な雨にも普段使いにも、和柄の手ぬぐい
私の3本は神田明神で買ったものですが、Amazonでも和柄の手ぬぐいがたくさん見つかります。私のように、柄違いで集めるのも楽しいですよ。
出かける前に、当日の公式情報をチェック
この夏は天気が不安定だったので、私は盆踊りに行く日は、当日に公式サイトをチェックするようにしていました。
夏の盆踊りは、夕立や雷雨で急に中止になったり、途中で終わったりすることがあります。
せっかく電車に乗って行ったのに中止だった……とならないように、出かける前にひと呼吸。公式サイトやSNSをのぞいてから出発すると安心です。
まとめ:太鼓の音に、誘われてみませんか

入谷の夜、ひとりで加わった盆踊りの輪。
そこには、平安から千年続く祈りの系譜があり、江戸の人々が愛した夏の娯楽があり、焼け野原から二度も立ち上がった町の意思があり、ソーラン節を全力で踊る子どもたちの今がありました。
老若男女が同じ輪の中で笑いながら踊れること。ご近所さん同士が「久しぶりね」と挨拶を交わせること。それは当たり前のようでいて、先人たちが取り戻し、守り、手渡してくれたもの。歴史を知ってから輪に入ると、盆踊りはただの夏のイベントではなく、「今ここにある幸せ」を確かめる時間になります。
そして何より——ひとりでも、まったく問題ありません。輪に入ってしまえばこっちのもの。お師匠さんの後ろに張り付いて、見よう見まねで踊るうちに、太鼓の音が体の奥のほうから何かを整えてくれます。
山王祭から雷門まで、この夏、私は20の輪に入りました。そして、盆踊りの季節は夏で終わりではありません。
秋も、御茶ノ水、炭坑節祭り、田原de盆踊り、蔵前、上野公園の盆踊りに行く予定です。秋の会場は、11月にこの記事へ追記しますね。
この秋か、来年の夏。どこかの櫓の下で、太鼓の音があなたを呼んだら。
どうか迷わず、輪に入ってみてください。
整えることで、人生は変えられる。
それではみなさま、ごきげんよう。


