皆さまごきげんよう、七夕の願いごとに本気のジュリージョリーです。
先日、七夕直前の東京大神宮へひとりで参拝してきました。「東京のお伊勢さま」として、そして縁結びの神社として有名なこの場所。でも——そもそも、なぜ東京大神宮は「縁結び」なのか、ご存じですか?
実はその答え、『古事記』のいちばん最初のページに書いてあるんです。
この記事でわかること
- 東京大神宮が「縁結び」といわれる本当の理由(古事記の神様のお話)
- 七夕時期のリアルな混雑状況と、おすすめの参拝時間帯
- 2026年4月にオープンしたばかりの和菓子カフェ「伊勢茶寮」レポ
- 浅草発の新しい風習「夏詣」のこと
東京大神宮ってどんな神社?縁結びの由来は古事記にあった

「東京のお伊勢さま」140年の物語
江戸時代、お伊勢参りは庶民にとって一生に一度の夢でした。歩いて何日もかけて、ようやくたどり着ける憧れの場所。それが明治の世になり、「東京にいながら伊勢の神宮を拝める場所を」という願いのもと、明治天皇のご裁断を仰いで明治13年(1880年)に創建されたのが、東京大神宮のはじまりです。
最初は有楽町にあり「日比谷大神宮」と呼ばれていましたが、関東大震災で被災し、昭和3年に現在の飯田橋へ。戦後に「東京大神宮」となって今に至ります。名前は変わっても、「東京のお伊勢さま」として愛されてきた140年余りなんですね。
そしてもうひとつ。現在広く行われている神前結婚式は、実は東京大神宮が創始したもの。明治33年、のちの大正天皇のご成婚を記念して始まりました。日本の結婚式のふるさとがここにある——縁結びの神社と呼ばれる土台が、歴史の面でもしっかりあるわけです。
縁結びの本当の意味は「むすひ」——古事記の造化の三神
ここからが、古事記LOVEな身としてはいちばんお伝えしたいところ。
東京大神宮の御祭神は、天照皇大神(あまてらすすめおおかみ)と豊受大神(とようけのおおかみ)、そして倭比賣命(やまとひめのみこと)。さらに「造化の三神(ぞうかのさんしん)」——天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)、高御産巣日神(たかみむすびのかみ)、神産巣日神(かみむすびのかみ)も併せてお祀りされています。
この造化の三神、『古事記』を開くといちばん最初に登場する神様たちなんです。「え、古事記の最初ってイザナギとイザナミの国生みじゃないの?」と思った方——実は私も長らくそのイメージでした。
でも国生みの物語より前、天地のはじまりの場面で、まず名前が挙がるのがこの三柱。姿を見せずすぐに身を隠してしまう神秘的な神様たちで、万物を生み育てる力を司ります。その力の名前が「産巣日(むすひ)」。
お気づきでしょうか。「むすび」です。
つまり東京大神宮の「縁結び」は、恋愛のご利益だけを指すのではなく、人と人、人とモノゴト、あらゆるご縁を生み結ぶ根源の力のこと。恋も、仕事も、友人も、そして「この記事を読んでくださっているあなたと私」のご縁も、ぜんぶ「むすひ」の働きなんですね。そう知ってから鳥居をくぐると、お願いごとの景色が少し変わって見えませんか?
ちなみにこの三柱、男女の別を持たない「独神(ひとりがみ)」といわれています。ひとりで在りながら、万物を生み結ぶ力を持つ——ひとり旅の私たちに、ちょっと勇気をくれる神様だと思いませんか?
📖 ジュリーのおすすめ
「古事記って難しそう…」という方にこそ読んでほしいのが、竹田恒泰さん(作家・実業家・明治天皇の玄孫)の『現代語古事記』。物語のように読めて、造化の三神も冒頭にちゃんと登場します。参拝前に読むと、神社めぐりが何倍も楽しくなりますよ。
そしてもうひとつ、これは豆知識ではなく、大事な知識として知っていただきたいこと。伊勢の神宮の正式名称は「伊勢神宮」ではなく、ただ「神宮」です。全国八万社の神社の中心となる特別な存在だからこそ、地名を冠さない唯一の社号。
だから私は敬意を込めて「伊勢の神宮」とお呼びしています。会話の中で「伊勢の神宮」と言う方に出会うと、「お!知ってるな」と嬉しくなってしまう——そんな合言葉のような知識、あなたにもお裾分けです。
七夕直前の日曜、朝9時半はもう行列でした(ひとり参拝レポ)
参拝したのは七夕の2日前、7月5日の日曜日。「9時半に着けば余裕でしょ」と思っていた私が甘かった……。鳥居の前にはすでに列ができていました。東京大神宮、恐るべし。8時に来ればよかったと心から思いました。
それでも境内に入ると、七夕の設えが見事でした。手水舎は、思わず笑顔になる色とりどりのお花で埋め尽くされていましたよ。ただ、手水舎の前にはお清めを待つ方の列ができていたので、写真は控えました。
印象的だったのは、あれだけの美しさなのに、私がいた間、写真を撮る人が誰もいなかったこと。皆さんわきまえていらして、「ここは映えスポットではなく、祈りの場」という空気が自然と共有されている——そんな品の良さも、東京大神宮の魅力だと感じました。
そして嬉しいことがふたつ。境内で巫女さんや神職さんのお姿をお見かけすると、なんだかラッキーという気持ちになりませんか?(しかも今日の神職さん、イケメンでした笑)。さらにちょうど祝詞の時間に居合わせることができて、二重にラッキー。ドーン……と響く太鼓の音を聞くと、「これぞ日本」という感じがして、背筋がすっと伸びます。
七夕短冊(織姫短冊・彦星短冊・幸せ星短冊、初穂料300円)は、神職さんと巫女さんが笹竹に結んでくださり、7月1日から7日まで回廊に飾られます。日没から夜9時頃までライトアップもされるそうで、夜の境内はさぞ幻想的なはず。
——が、正直に告白します。この日の私は、混雑と暑さで、短冊を書き入れる前にHP(ドラクエ風)を消費し切ってしまいました。ホイミが欲しい。切実に。
御朱印は「先払い→番号待ち」方式。待ち時間の過ごし方に注意
御朱印は、先に初穂料を納めてから番号で呼ばれる方式でした。私がいただいたのは通常の御朱印(直筆)で、初穂料は500円(2026年7月5日時点。最新の初穂料や授与時間は公式サイトでご確認くださいね)。呼ばれるまで15分ほど待ちました。
ここで待ち方のリアルをお伝えすると——日陰はすでに満員。かといって離れすぎると、番号を呼ばれても聞こえない。真夏の炎天下、これはなかなかの修行でした(涙)。日傘と飲み物は必携です。
⚠️ 七夕時期に参拝するなら
おすすめは朝早め(8時台)か、夕刻。朝なら比較的ゆっくり参拝できますし、夕刻なら暑さが和らぐうえ、日没からの笹竹ライトアップまで楽しめて一石二鳥です。日中に行く場合は、日傘・飲み物・「待ち時間はある」という心の準備をお忘れなく。
参拝後のお楽しみ——大神宮通りに「小さな伊勢」が出来ていた
2026年4月オープンの和菓子カフェ「伊勢茶寮」で、日本人で良かったと思う

参拝でHPを消費し切った私を救ってくれたのが、大神宮通りに今年(2026年)4月29日にオープンしたばかりの和菓子カフェ「伊勢茶寮(いせさりょう)」でした。東京大神宮公認のお店で、伊勢の素材を使った和菓子と、それに合うお茶をいただけます。

私が選んだのは、「朝顔」という夏の和菓子と冷たいお茶で、お会計は1,200円。運ばれてきた瞬間、疲れがすっと引きました。なんせ暑かったので、本音を言えばごくごく飲みたかったのですが……お上品にいただきました。おとななので(笑)。
しっかりお茶の味がして、涼やかな朝顔のお菓子とのバランスも絶妙。コーヒーもいいけど、やっぱり日本茶って落ち着くなあ。……日本人で良かった、と心から思う瞬間でした。ホイミどころか、ベホイミ級の回復です。
季節の和菓子は時期によって変わるはずなので、訪れるたびに違う出会いがありそう。参拝とセットで通いたくなるお店です。オープンから間もないので、まだ知らない方も多いはず——今のうちが狙い目ですよ。
角のセレクトショップ「ISEMISE」でお伊勢さま気分のお買い物
もう一軒、大神宮通りの角には「ISEMISE(イセミセ)」という、こちらも東京大神宮公認の伊勢セレクトショップがあります。伊勢うどんや伊勢茶などの名産品から、工芸品、真珠のアクセサリーまで、選りすぐりの「伊勢」がぎゅっと詰まったお店です。
私はここでパワーブレスレット(8,800円)と、お賽銭用のがま口(990円)を新調しました。お賽銭がま口、地味に便利なんです。お参りのたびにお財布の小銭入れをごそごそしなくて済むので、神社好きさんにはぜひおすすめしたい一品。

それにしても——ISEMISEが出来て、伊勢茶寮が出来て。大神宮通りには少しずつ「小さな伊勢」が育っています。参拝して、伊勢の和菓子をいただいて、伊勢の品を連れて帰る。ここまで揃うと、心はもうすっかりお伊勢参りです。
そして帰り道、気づけば私はこう思っていました。「伊勢の神宮に、行きたい!」——そう、記事の前半でお伝えした、あの「神宮」です。東京のお伊勢さまは、本家へのご縁まで結んでくださるようですよ。さすが、むすひの神様。
「夏詣」という新しい風習——100年後の伝統になりますように
ところで皆さま、「夏詣(なつもうで)」という言葉をご存じですか?
初詣が一年のはじまりのお参りなら、夏詣は一年の折り返しのお参り。6月30日の「夏越の大祓」で半年分の穢れを祓ったあと、7月1日からの参拝で「過ぎた半年への感謝と、来る半年の平穏」を祈る——そんな新しい風習です。
始めたのは、浅草の浅草神社。平成26年(2014年)のことですから、まだ生まれて十数年の、とても若い風習です。それが今では北は北海道から南は鹿児島まで、全国650もの神社仏閣に広がっているのだとか。
ここで歴史好きとしてお伝えしたいのは、「伝統」も、いつかの時代には「新しい風習」だったということ。たとえば初詣が今の形で広まったのは明治中期のこと。意外と新しいんです。神前結婚式だって、この東京大神宮が明治33年に始めたもの。今「当たり前」の風習には、必ず「始まりの時代」がありました。
夏詣が、これから100年、200年と続いていったら——後の時代の人たちは「夏詣は平成に始まった伝統です」と語るのでしょうね。その「始まりの時代」に生まれ合わせたことを、私は密かに誇りに思っています。文化が生まれる瞬間の目撃者なのですから。
ちなみに東京大神宮は夏詣の参画神社ではなく、この記事でご紹介してきた独自の七夕行事を大切に守っているスタイル(2026年7月時点の情報です)。浅草発の新しい風習と、東京のお伊勢さまが守る七夕の祈り。この夏はふたつの「夏の参拝文化」を巡り比べてみるのも、一興ではないでしょうか。
夏越の大祓については、こちらの記事で詳しく書いています。

また、夏詣に参画している根津神社では、8月31日まで「かざぐるま祭り」という涼やかな行事も行われていますよ。

アクセスと参拝情報(車なし・ひとりでも安心)
東京大神宮のアクセスは、車なし旅の私が太鼓判を押す良さです。なにせ飯田橋駅から徒歩約5分。しかも飯田橋駅にはJR中央・総武線、東京メトロ有楽町線・南北線・東西線、都営大江戸線と、実に5路線が乗り入れています。都内のどこからでもアクセスしやすい、ひとり参拝デビューにもぴったりの神社です。
東京大神宮 基本情報
- 所在地:東京都千代田区富士見2-4-1
- アクセス:各線「飯田橋」駅より徒歩約5分
- 駐車場:なし(公式でも公共交通機関の利用が案内されています)
- 参拝時間・御朱印の授与時間は、時期により変わることがあるため公式サイトでご確認ください
神社に駐車場はなく、公式サイトでも公共交通機関の利用が呼びかけられています。つまりここは、車なしの民・徒歩自力旅の民にとことん優しい神社。駅から歩いてお参りするのが、いちばんスマートな正解ルートなのです(ふふ)。
ひとつだけ、真夏の参拝には熱中症対策を。公式サイトでも対策を万全に、と案内されているほどで、実際この日の私はHPを削られました……。境内の日陰には限りがあるので、飲み物は「持っている」だけで安心感が違います。
🍵 ジュリーのおすすめ
夏の神社めぐりの相棒は、保冷力のあるタンブラーや水筒。キンキンに冷えたお茶を一口飲めば、並んでいる間のHP回復薬(ホイミ)になってくれます。タイガーの真空断熱ボトルは軽くて洗いやすく、旅の荷物を増やしたくないひとり旅にもちょうどいいですよ。
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まとめ:知ってから参ると、ご縁の見え方が変わる
東京大神宮の縁結びは、恋愛だけのご利益ではなく、古事記の冒頭に立つ造化の三神の「むすひ」——あらゆるものを生み結ぶ力に由来する。そのことを知ってから鳥居をくぐると、七夕の短冊も、御朱印の待ち時間も、和菓子の一皿も、ぜんぶが「結ばれていくご縁」に見えてきます。
次の七夕は、朝早めか夕刻に。笹竹のライトアップと一緒に、あなたの願いごとが夜空に届きますように。そして私は——伊勢の神宮への旅を、心に誓ったのでした。
整えることで、人生は変えられる。
それではみなさま、ごきげんよう。
