【根津神社 夏詣】くるくる回る風車、夏の一人旅|車なしで行く風の神様

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根津神社の夏詣かざぐるま祭り、色とりどりの風車のアイキャッチ画像 一人旅

皆さまごきげんよう、風にそよめくジュリージョリーです。

初詣は知っていても、「夏詣(なつもうで)」という言葉、聞いたことはありますか?

一年のちょうど折り返し。過ぎた半年の無事に感謝して、これからの半年を清々しい気持ちで迎える──そんな夏の新しい参拝文化が、いま少しずつ広がっています。

今回わたしが訪れたのは、東京・文京区の根津神社。夏の期間限定で、境内の駒込稲荷神社に色とりどりの風車がくるくると回る「夏詣かざぐるま祭り」が行われているんです。

しかも、この風車には古事記に登場する「風の神様」が関わっていて……参拝の後、わたし、ちょっと不思議な体験をしてしまいました。

この記事でわかること

  • 夏詣とは?初詣だけじゃない、夏の新しい参拝文化
  • 根津神社「夏詣かざぐるま祭り」のひとり参拝レポ(風車のお詣り方法・限定御朱印)
  • 風車に込められた、古事記の風の神様のお話
  • 車なし・電車だけで行けるアクセスと、真夏の参拝のコツ

夏詣ってなに?初詣だけじゃない、夏の新しい参拝文化

根津神社の夏詣、風車祭り

「夏詣(なつもうで)」とは、一年の折り返しにあたる7月のはじめに神社へお詣りする、夏の新しい参拝文化です。

お正月の初詣が「一年のはじまりのご挨拶」なら、夏詣は「一年の後半戦のはじまりのご挨拶」。過ぎた半年を無事に過ごせたことに感謝して、これからの半年も清々しく過ごせますように、と手を合わせます。

実はこの夏詣、昔からある伝統行事ではなく、2014年に東京・浅草の浅草神社が提唱したのがはじまりと言われています(諸説あります)。そこから賛同する神社が全国に広がり、いまでは夏の風物詩として少しずつ定着してきました。

新しい文化と聞くと「ご利益、あるのかな?」と思われるかもしれません。でも、夏詣の土台にあるのは、千年以上つづく由緒ある神事なんです。

それが、6月30日に行われる「夏越の大祓(なごしのおおはらえ)」。半年のあいだに知らず知らず溜まった心身の穢れを祓い清める儀式で、茅の輪くぐりをされたことがある方も多いのではないでしょうか。

つまり流れとしては、こうなります。

6月30日、夏越の大祓で半年分の穢れをリセット → 7月1日から、まっさらな気持ちで夏詣へ。

年末の大掃除をしてから初詣に行くのと、まったく同じリズムですね。「整えてから、お詣りする」──このブログでずっと大切にしてきたことが、そのまま形になったような文化だなと、わたしは勝手に親近感を抱いています。

夏越の大祓については、こちらの記事で詳しく書いています。

【夏越の祓】茅の輪くぐりの作法とは|一人でもできる、半年の“立て直し”」
6月30日の夏越の祓。茅の輪くぐりの正しい作法を、一人でも大丈夫なようにやさしく解説します。蘇民将来とスサノオの物語、湯島天神での体験記、季節の和菓子「水無月」まで。半年分の自分を整え直す、ひとり参拝ガイド。

また、東京大神宮の夏詣に行ったときのレポはこちら。神社ごとに夏詣の彩りが違うのも、楽しいところです。

【東京大神宮】七夕の一人参拝レポ|縁結びの本当の意味は古事記にあった
縁結びで有名な東京大神宮、その由来は古事記の造化の三神にありました。七夕直前の混雑リアルレポ、おすすめ参拝時間帯、2026年4月オープンの和菓子カフェ伊勢茶寮まで、歴史好き看護師がひとり参拝で徹底案内します。

そして根津神社の夏詣は、ちょっと特別でした。境内に足を踏み入れると、色とりどりの風車がくるくる、くるくる──。

次の章から、その「夏詣かざぐるま祭り」のひとり参拝レポをお届けします。

根津神社「夏詣かざぐるま祭り」ひとり参拝レポ

訪れたのは7月上旬、朝9時半。

……結論から言います。夏の参拝、朝9時半でもう汗だくです(笑)。

それでも根津神社の境内は緑が多く、日陰はそこそこあります。木陰を選んで歩けば、真夏のお詣りもなんとかなる。これから行かれる方は、飲み物と汗ふきタオルをお忘れなく。

鳥居をくぐると、空気が少し変わる気がします。この感覚が好きで、わたしは神社に通っているのかもしれません。

願掛けかざぐるまは、授与所で

根津神社の神札授与所

かざぐるま祭りの舞台は、根津神社の境内にある「駒込稲荷神社」。参道脇に、色とりどりの風車がずらりと飾られています。

そして自分の「願掛けかざぐるま」は、根津神社の授与所でいただけます。初穂料は200円でした。

わたしが選んだのは、ピンクの風車。手にした風車には、3回息を吹きかけます。

ひと吹き目で、穢れを祓い。
ふた吹き目で、新しい風を呼び。
み吹き目に、願いを込める。

自分の息でくるくると回る風車──ちょっと童心に返る、不思議な時間です。

願いを込めた風車は、お家に持ち帰ってもいいそうですが、わたしは駒込稲荷神社の社殿横の奉納場所に、そっとさしてきました。たくさんの風車と一緒に、わたしのピンクの風車も、これからの半年、風に回り続けてくれるはずです。

止まっていた風車が、回った

そして、ここからが今日いちばんお伝えしたかった話です。

奉納を終えて、さあ写真を撮ろうとカメラを構えたときのこと。

それまで止まっていた参道の風車が──黄色と水色の風車が、くるくる、くるくると回り出したんです。

風が、吹いたんです。

すごい偶然というか……「呼ばれてたんだな」なんて、思っちゃいました。

駒込稲荷神社の御祭神は、風の神様。風が穢れを祓い、物事が良い方へ回りますように──そんな願いが込められた風車が、参拝を終えたわたしの目の前で回り出す。ただの偶然かもしれません。でも、こういう小さな「たまたま」をお土産みたいに持ち帰れるのも、神社めぐりの醍醐味だと思うのです。

期間限定の切り絵御朱印も(でも、わたしはいただきませんでした)

かざぐるま祭りの期間中は、数量限定の切り絵御朱印がいただけます(書き置きのみ・なくなり次第終了)。JR東海コラボの御朱印(事前予約制)もあるそうです。

涼しげでとても素敵なデザインだったのですが……実はわたし、今回はいただきませんでした。

限定御朱印はきっとたくさんの方が紹介してくださるはず。それに、わたしは御朱印帳に直接書いていただく「直書き」が好きなんです。

目の前で書いていただけることは少なくても、開いたページの墨の跡に「いま、わたしのために書いてくださったんだな」と感じられる。それが直書きの嬉しさだと思っています。

そもそも御朱印のはじまりは、お経を納めた証にいただく印だったと言われています(諸説あります)。いわば「参拝に来た領収書」。そう考えると、直書きに出会えた日は、ちょっと得した気分になるのです。

このあたりのこだわりは、また別の機会にゆっくり書きますね。

なぜ風車?古事記に登場する「風の神様」のお話

根津神社境内にある駒込稲荷神社

ところで、どうして風車なのでしょう?

それは、駒込稲荷神社の御祭神が「級長津彦命(しなつひこのみこと)・級長戸辺命(しなとべのみこと)」という、風を司る神様だから。風が穢れを祓い、物事が良い方へ回りますように──そんな願いを、くるくる回る風車に重ねているのだそうです。

歴史好きとしては、ここを素通りできません。少しだけ、神話の世界をのぞいてみましょう。

息から生まれた神様

『古事記』では、国生みを終えたイザナギとイザナミの二柱が、たくさんの神様を次々と生んでいきます。その中に登場するのが、風の神・志那都比古神(しなつひこのかみ)。級長津彦命と同じ神様と考えられています(諸説あります)。

実は古事記では、この神様はお名前だけの登場なんです。何をした、どんな性格、といったエピソードは書かれていません。わたしも古事記を読み返して「あれ、お名前だけ?」と思ったひとりです。

ところが『日本書紀』のほうには、「一書(あるしょ)」と呼ばれる別伝のかたちで、こんな場面が残されています。

生まれたばかりの国に、朝霧が立ちこめていた。イザナギがふうっと息を吹き払うと、その息が神になった──それが風の神、級長戸辺命。またの名を級長津彦命というのだと(こちらも諸説あります)。

つまり風の神様は、神様の「息」から生まれた神様なんです。

……ここで、思い出してください。願掛けかざぐるまのお詣りは、風車に3回、自分の息を吹きかけるのでしたよね。

息を吹いて、風を起こす。神話の中でイザナギがしたことを、わたしたちは小さな風車の前で、なぞっているのかもしれません。そう思うと、あのお詣りの時間がぐっと深く感じられませんか?

風は「祓い」の力

神道の世界で、風は古くから穢れを吹き払う力と考えられてきました。台風を鎮めるために風の神様を祀った奈良の龍田大社のように、風は恐れられると同時に、大切に祈られてきた存在です。

だからこそ、夏詣の風車なんですね。半年分の穢れを祓い、新しい風を呼び込み、これからの半年が良い方へ回っていきますように。

わたしの目の前で回り出した、あの黄色と水色の風車。あれもきっと、良い風だったのだと思うことにしています。

🎐 ジュリーのおすすめ

イザナギとイザナミの神生みのお話、じっくり読むならこの一冊。作家・実業家で明治天皇の玄孫でもある竹田恒泰さんの『現代語古事記』は、教科書みたいな堅さがなく、物語としてぐいぐい読めます。神社めぐりのお供に、わたしが何度も読み返している本です。
Amazon公式|「現代語古事記」(竹田恒泰)

参拝者の8割が外国人?世界に広めたい「日傘」の文化

さて、この日の根津神社、混雑というほどではないものの、朝から人の姿はぽつぽつと。

そして見渡してみると──体感、8割が外国からの観光客でした。

千本鳥居のある乙女稲荷神社が海外のガイドブックやSNSで人気なのは知っていましたが、平日の朝からこんなに国際色豊かだとは。「京都に行かなくても千本鳥居が見られる」と紹介されているようで、根津神社はいまや世界の観光地なんですね。

境内で、家族旅行中の外国人の方が、鳥居の前で写真を撮ろうと苦戦していました。全員で写りたいのに、誰かがカメラマンになるしかない、あの状態です。

思わず日本語で「撮りましょうか?」と声をかけていました。

わたし、海外ひとり旅の経験から多少は英語を話せるものの、堪能ではありません。ここからはほぼジェスチャーと日本語です。

「たて?よこ?どっち?」と日本語で聞くと、英語で「どっちでも、任せるよ」と笑顔の返事。もちろん鳥居はしっかり背景に入れて、パチリ。

「チェックして」と日本語で渡すと、返ってきたのは英語で「パーフェクト!」。

最後には日本語で「ありがとう」と言ってくれました。

わたしは日本語、向こうは英語。それなのに、会話はぜんぶ成立していました(笑)。

なんかいいことした気持ちで、その日一日、心が整っていました。ひとり参拝は身軽なぶん、こういう小さな交流が生まれやすい気がします。撮られる側じゃなくて、シャッターを押す側になれるのも、ひとりの特権かもしれません。

3年前には見なかった光景

もうひとつ、境内で気づいたことがあります。

外国の方が、日傘を差している。

3年くらい前までは、見なかった光景です。日傘といえば日本の女性の夏の必需品、というイメージでしたが、いまや国籍も性別も関係なく、みんな差している。

……そうですよね。暑いですもん、日本の夏(笑)。

でも、これって素敵なことだと思うんです。世界中で夏が暑くなっているいま、日傘は立派な熱中症対策。「恥ずかしいから差さない」なんて言っている場合ではない暑さが、もう世界の標準になりつつあります。日本発の日傘文化、世界に広まってほしいなと、風車の回る境内で思ったのでした。

真夏の神社めぐりは、木陰があるとはいえ炎天下を歩きます。日傘と冷感グッズは、もはやお詣りの必需品です。

☀️ ジュリーのおすすめ

夏のひとり参拝のお供に。晴雨兼用の折りたたみ日傘なら、急な夕立にも対応できて旅先で頼りになります。バッグに冷感タオルを一枚しのばせておくのもおすすめです。

Amazon公式|コンパクトワンタッチ晴雨兼用傘(旅におすすめ、コンパクトで軽量)

車なしで行ける!アクセスと夏のひとり参拝ポイント

根津神社の夏詣、風車祭り

根津神社のうれしいところは、駅から徒歩5分という近さ。車がなくても、迷わずたどり着けます。

根津神社へのアクセス

  • 東京メトロ千代田線「根津駅」から徒歩約5分
  • 東京メトロ千代田線「千駄木駅」から徒歩約5分
  • 東京メトロ南北線「東大前駅」から徒歩約7分

わたしのように運転免許のない者にとって、「駅チカの名社」は本当にありがたい存在。地下鉄の駅から地上に出て、下町の空気を吸いながら歩く5分も、旅の一部です。

夏のひとり参拝、3つのポイント

💡 夏詣を快適にするポイント

午前中がおすすめ。わたしは9時半到着で汗だくでしたが、それでも日中よりはずっとまし。境内は緑が多く、木陰を選んで歩けます。
飲み物・汗ふきタオル・日傘は三種の神器。境内に入る前に、水分をひと口。
風車は帰りに受けるのもアリ。参拝を済ませてから授与所へ寄れば、風車を持って歩き回らずにすみます。

参拝のあとは、根津・千駄木エリアのカフェでひと休みするのもおすすめです。谷根千さんぽとカフェのお話は、また改めて記事にしますね。

なお、根津神社そのものの歴史──約1900年前の創建伝承や、徳川綱吉が寄進した社殿のお話は、こちらの記事でたっぷり深掘りしています。夏詣とあわせてどうぞ。

おわりに──風が良い方へ、回りますように

根津神社、風車祭り

初詣しか知らなかった数年前のわたしに、教えてあげたいです。一年の折り返しに神様へご挨拶する「夏詣」という文化があること。そして東京の真ん中に、風車がくるくると回る、こんなに涼やかな夏の境内があることを。

ところで──占いの世界では、いまは「風の時代」に移り変わった、と言われているそうです。詳しいわけではないのですが、風の神様にお詣りして、目の前で風車が回り出した帰り道。なんだか、良い風に背中を押されている気がしました。

半年分の穢れを風に祓ってもらって、残りの半年へ。
みなさまの毎日にも、良い風が吹きますように。

整えることで、人生は変えられる。

それではみなさま、ごきげんよう。

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