皆さまごきげんよう、御朱印にときめくジュリージョリーです。
「恋愛パワースポット」で検索すると、必ず出てくる神社があります。
浅草の今戸神社。
縁結び、恋愛成就、招き猫発祥の地。……なんだか、すごそうです。
でも同時に、こう思いませんでしたか。
「一人で行って、浮かないかな。」
わたしも同じでした。そこで実際に、一人で行ってきました。2026年8月2日、日曜日。とんでもなく暑い日です。
結論から言うと——まったく問題ありませんでした。
それどころか、神社の方からいただいた一言が、今も心に残っています。
この記事でわかること
- 今戸神社が「恋愛パワースポット」と呼ばれる本当の理由
- 浅草駅からの行き方と、夏の道のりのリアル(日傘は必須です)
- 御朱印と浅草名所七福神の色紙の初穂料
- 境内で見つけた、ちょっと不思議なもの
- 一人で行っても大丈夫か、正直なところ
今戸神社が「恋愛パワースポット」と呼ばれる理由
今戸神社といえば、縁結び。
でも、気になりませんか。どうしてこの神社が、そんなに恋愛に強いと言われるんだろう?
答えは、神様にありました。御祭神は四柱(よんはしら)です。
- 應神天皇(おうじんてんのう)
- 伊弉諾尊(イザナギノミコト)
- 伊弉冉尊(イザナミノミコト)
- 福禄寿(ふくろくじゅ)
このなかのイザナギとイザナミが、縁結びの理由です。
このお二方、じつは日本の神話でいちばん最初に夫婦になった神様。天と地がまだぼんやりしていたころ、二柱は矛で海をかき混ぜ、島を生みました。
しかも、とんでもない子沢山。
国土のあとも、風の神、山の神、海の神……と次々に神様を生んでいきます。この国は、たった一組の夫婦から始まった。古事記は、そう伝えています。
日本で最初のご夫婦で、大変な子沢山。だから縁結びだけでなく、子宝や安産のご利益でも知られているんですね。
じつはこのお話、参拝の前日に予習していきました。そして実際に境内に立ってみて、なるほどね、と納得したのです。
古事記をちょっと知っているだけで、目の前の神社が何倍も面白くなる。これ、本当です。
実は、縁結びの神様はあとから来た
ここが面白いところ。今戸神社、もともとは縁結びの神社ではありませんでした。
創建は康平6年(1063年)。源頼義・義家(みなもとのよりよし・よしいえ)父子が、この地に石清水八幡(いわしみずはちまん)をお迎えしたのが始まりと伝えられます。
当時の名前は「今戸八幡」。ご祭神は應神天皇——そう、八幡様。武士が戦の勝利を祈る神社だったんですね。
流れが変わったのは昭和12年(1937年)。隣にあった白山神社を合祀(ごうし)したときのことでした。この白山神社の御祭神が、イザナギとイザナミ。
つまり——縁結びの神様は、あとから引っ越してこられたのです。
なんだか素敵だと思いませんか。900年以上武士を見守ってきた神社に、日本最初のご夫婦がやって来て、神社の”らしさ”そのものが変わっていった。
神社にも、人生と同じように転機がある。
ちなみにこの源頼義さん、同じ康平6年(1063年)に鎌倉にも八幡様をお祀りしています。それが、あの鶴岡八幡宮。今戸神社と鶴岡八幡宮は、いわば同い年のきょうだいなんです。

浅草駅から徒歩15分。夏の道のりは想像以上でした
わたしは車の免許を持っていません。だから神社へは、いつも電車と自分の足。今回も浅草駅から歩きました。
地図で見ると、徒歩15分。「15分ならすぐだね」——そう思いますよね。
8月の東京を、なめていました。
とにかく暑い。日傘は必需品です
参拝したのは11時前。一番暑くなる少し手前の時間帯です。それでも、歩き始めて5分で汗が止まらなくなりました。
道中のセブンイレブンに飛び込んで、水分補給。このコンビニ、本当にありがたかったです。
そこで声を大にしてお伝えしたいこと。夏の神社めぐりに、日傘は必需品です。
これは女性だけの話ではありません。男性もぜひ。最近は男性用の日傘も普通に売られています。「日傘なんて」と思っていた方こそ、ぜひ一度。体力の減り方がまったく違います。
日陰が、ないんです
歩いてみて、はっきりわかったことがあります。
この道、日陰がほとんどありません。
背の高いビルが少ないんですね。建っているのは、マンションくらい。だから影ができない。
しかも、わたしが歩いた時間帯は進行方向の左側にまったく日陰がありませんでした。
「じゃあ右側を歩けばいいのでは?」そう思いますよね。わたしもそう考えました。
でも——今戸神社は、左側にあるんです。
結局どこかで渡らなければいけない。それなら最初から左を、と腹をくくりました。日傘、本当に持っていってください。
歩くのがつらい日は、バスという手も
今戸神社へは、バスでも行けます。
台東区の循環バス「めぐりん」
- 北めぐりん〔浅草回り〕「リバーサイドスポーツセンター前」下車徒歩約1分/運賃100円
都営バス
- 「浅草七丁目」下車 → 徒歩約5分
- 「リバーサイドスポーツセンター前」下車 → 徒歩約1分
わたしはこの日、めぐりんの時間が合わず徒歩を選びました。でも、次に夏に行くならバスを使うと思います。
体調や気温と相談して、無理をしないこと。神社は逃げません。
スマホの充電、足りていますか
地味に大事な話を。夏のひとり旅は、スマホの電池がびっくりするほど減ります。
地図アプリを開きっぱなしにして、写真を撮って、御朱印を調べて。気づいたら残り20%、なんてことも。
ひとり旅は、スマホが命綱です。わたしはモバイルバッテリーを必ず持ち歩いています。
静かな境内で見つけたもの
日曜11時前でも、境内は2〜3組
汗だくで鳥居をくぐって、驚きました。
人が、少ない。
浅草から歩いて15分の場所です。もっと混んでいると思っていました。でも境内にいたのは、いつも2〜3組ほど。
20分弱の滞在中、ずっとこの状態でした。誰かが帰ると、また誰かが来る。外国からの観光客も、パラパラと訪れていました。
静かに写真を撮って、静かに手を合わせて、静かに帰っていく。
「若い女の子でいっぱいなんだろうな」と想像していたわたしは、いい意味で裏切られました。
一人で行っても、まったく浮きません。

招き猫は、2体で1組でした
今戸神社は、招き猫発祥の地としても知られています。このあたりは「今戸焼(いまどやき)」という焼き物が盛んだった土地。江戸時代、ここで招き猫が多く作られたことが由来だそうです。
※発祥については豪徳寺など他にも名乗りをあげている場所があり、諸説あります。
そして境内には、大きな招き猫。ころんとした姿が、なんとも愛らしいのです。
ここで気づいてほしいのが、猫が2体いること。1体ではなく、2体。つまり、カップルなんです。
さらに社殿の横には「石なで猫」がいて、こちらの2体にはそれぞれイザナギ・イザナミという名前がついています。なでると福を招いてくれる、と言われている猫たちです。
神様も、猫も、2体で1組。
今戸神社は、境内のすみずみまで「ご縁」でできているんですね。

ミッキーのベンチが、ずらりと
境内に、日陰の休憩スペースがあります。暑さから逃げるように、わたしはそこのベンチに座りました。
ふぅ、と一息ついて、目の前のベンチをなにげなく見たんです。
……ミッキー?
え、と思って見渡すと。全部ミッキーでした。
二人がけのベンチが10個ほど、いや、もっとあったかもしれません。それが楕円形にぐるりと並べられているのです。
なぜ。ぼんやり座りながら考えました。
二人がけ。楕円形に向かい合わせ。ここは、縁結びの神社。
……もしかして、合同お見合い用?
この推理、あながち外れていないかもしれないのです。その理由は、記事の最後で。

沖田総司終焉の地の石碑
境内には、こんな石碑もあります。
「沖田総司終焉之地」——新選組の、あの沖田総司です。
隊士・永倉新八が書き残した記録によると、江戸へ引き上げてきたとき、沖田総司の肺の病はかなり進んでいました。そして薩長軍が江戸へ入るにあたり、病人たちが今戸神社に収容されたとあります。
つまりこの場所は、沖田総司が最期の日々を過ごしたかもしれない土地。
ただし——これには諸説あります。千駄ヶ谷で亡くなったという説もあり、決着はついていません。
それでも、石碑の前に立つと想像してしまうのです。縁結びの神様がいて、日本最初のご夫婦がいて、そのすぐそばに、若くして命を終えた剣士の記憶がある。
ひとつの境内に、何百年分もの物語が積み重なっている。
御朱印と浅草名所七福神の色紙
御朱印は書き置きでした
今戸神社の御朱印は、書き置き。あらかじめ書かれた紙をいただいて、あとから貼るタイプです。
じつはこれ、事前に調べて知っていました。
わたしはどちらかというと直書き派。目の前で筆が走るあの時間が、たまらなく好きなので。でも、「直書きだったらラッキー」くらいのスタンスでいます。
書き置きだから残念、とはまったく思いません。その神社のやり方があって、それを受け取るのが参拝ですから。
気になるお値段は
| 初穂料 | |
|---|---|
| 御朱印 | 500円 |
| 浅草名所七福神の色紙(朱印込み) | 600円 |
| 合計 | 1,100円 |
色紙の600円には、今戸神社の御朱印代が含まれています。
そして教えていただいたのが、七福神めぐり全体の費用。各所300円。全部で3,000円ほど。
思ったより、ずっと手が届く金額でした。
ちなみに、7福神巡りはどこから始めても大丈夫です。最初の場所で「7福めぐりの色紙をお願いします」と伝え、代金を支払えばいただくことが出来ます。
「10年かかってもいいお参りですから」
対応してくださった方が、本当に優しかったのです。
神職さんだったのか、授与所の方だったのか。それはわからないままでしたが、汗だくのわたしにこう声をかけてくださいました。
「今日は暑いから、無理しないでくださいね。」
そして、こう続けたのです。
「10年かかってもいいお参りですから。」
……じんとしました。
七福神めぐりというと、つい「一日で全部まわらなきゃ」と思ってしまいます。効率よく、急いで、達成して。
でも、そうじゃないよと。急がなくていい。10年かけたっていい。
その言葉に、肩の力がすっと抜けました。
さらに。わたしが小さなバッグで来ていたのを見て、色紙を入れる袋まで用意してくださったのです。色紙、けっこう大きいんですよね。入らないなと困っていたところでした。
今戸神社さん、優しい。
縁結びの神社って、こういうところなのかもしれません。人と人とのご縁も、ちゃんと結んでくれる。
今戸神社は「福禄寿」を担当しています
今戸神社は、浅草名所七福神のうち福禄寿(ふくろくじゅ)の担当。白髪に童顔、おだやかな笑みをたたえた神様です。
福は幸福、禄は財産、寿は長寿。幸せも豊かさも長生きも全部、というなんとも欲張りでありがたい神様ですよね。
そして面白いのが、「浅草名所七福神」は七福神なのに、まわる場所が9か所あること。「九は数の極み」——七よりも九のほうがめでたい、という古い考え方によるものだそうです。
おおらかで、なんだか江戸らしいと思いませんか。
色紙を手にしたわたしは、こう思いました。「これ、全部まわりたい。」
10年かけてもいいと言われましたが——今月中にまわってみようと思います。

一人でも大丈夫? 今戸神社の楽しみ方
ミッキーのベンチの謎を、追ってみました
楕円形に並ぶ、ミッキーのベンチ。「もしかして合同お見合い用?」——そう推理したわたしは、家に帰ってから調べてみました。
すると、こんな催しが。今戸神社では「縁結び会」が開かれています。神社が主催する、いわばお見合い会です。
- 募集人数:男女各18名(計36名)
- 参加資格:25歳〜59歳の独身の方
- 参加費:10,000円(ご祈祷、茶菓つき)
- 申し込み:往復はがき
男女あわせて36名。二人がけのベンチが18個あれば、ちょうど36席。
……これは、と思いました。ところが。
まず、ベンチは18台もなかった気がするのです。それに、縁結び会でベンチを使っている写真も見つけられませんでした。境内には新しめの平屋の建物があるので、そちらで行われているのかもしれません。
というわけで、わたしの推理はあっさり外れました。謎は未解決のまま。次に伺ったときに、思いきって聞いてみようと思います。
わからないことがあるから、また行きたくなるのかもしれません。
ちなみに9月にも縁結び会が開催予定という情報を見かけました(インスタグラムより)。気になる方は、必ず公式ホームページで最新情報をご確認ください。
申し込みが往復はがき、というのがまた良いですよね。ご縁って、そういうゆっくりしたものなのかもしれません。
一人で行っても、大丈夫でした
この記事を読んでくださっている方が一番知りたいのは、たぶんここですよね。
「縁結びの神社に、一人で行っても浮かない?」
結論から言います。まったく浮きません。
境内にいたのは常に2〜3組ほど。カップルもいれば、外国からの観光客も、そして一人の方もいました。
誰も、誰のことも見ていません。みんな、自分のお参りに集中しています。
御朱印をお願いするときも、丁寧に対応していただけました。「お一人ですか?」なんて聞かれることもありません。
むしろ一人だからこそ、自分のペースで、好きなだけ境内にいられるのです。暑ければベンチで休めばいい。猫をなでたければ、気の済むまでなでればいい。
所要時間は20〜30分ほど
参拝の目安は、20〜30分といったところ。
- 手水舎で清める
- 社殿でお参り
- 招き猫にごあいさつ
- 沖田総司の石碑を見る
- 御朱印をいただく
浅草寺や浅草神社とあわせてまわっても、半日あれば十分。ひとり旅の予定に、するりと組み込める神社です。


10年かけても、いいそうです
今戸神社は、静かな神社でした。
日本で最初のご夫婦がいて、2体で1組の招き猫がいて、若くして逝った剣士の記憶があって、なぜかミッキーのベンチがある。
いろんなものが、おおらかに同居している場所。
そして何より、あの言葉です。
「10年かかってもいいお参りですから。」
急がなくていい。焦らなくていい。恋も、ご縁も、人生も、きっと同じなのだと思います。
一人で行くのが不安な方へ。大丈夫です、誰もあなたを見ていません。あなたも、自分のことだけ考えていい。
暑い日は無理をせず、日傘を持って、ぜひ足を運んでみてください。
ちなみに今戸神社は、浅草名所七福神と東京下町八社福参り、2つのめぐりに入っている神社。どちらもいずれ、ぜんぶ歩いて記事にしますね。
整えることで、人生は変えられる。
それではみなさま、ごきげんよう。
